『日本で使いやすいモーターホーム』

 「まえがき」にもありますように、日本初の北米製オリジナル・モーターホー
 ムが「B.C.ヴァーノン」です。
 1から日本で使うことを日本人が考えて作った「クラスCモーターホーム」
 だからこそ、隅々まで「使いやすい」が形となって完成されたのです。
 改めて当時を思い出してみても、どちらの発想が先で「使いやすい」が次々と
 形になっていったのか?わからないことがたくさんあります。
 例えば、はっきりした「四季」を感じる日本では「暑さ」と「寒さ」に適応した
 設計を考えますし、また、既にモーターホームライフを楽しんでいる方々から
 は外部からアクセスできる収納庫の要望を耳にしていました。
 まさに「面」の発想の調和が全てを包み込んだ・・・としか言いようがありま
 せんし、戸川氏をご存知の方は口にも耳にもするでしょうが、それが「トガワ
 ・マジック」と言われる所以なのかも知れません。
 ここでも幾つかの例をご紹介します。


「暖かく快適に」・・・

 世界的にもはっきりした四季を体感できるここ日本では、多くのキャンパーが
 四季折々の楽しみを満喫しようと年間を通じて「旅」をされています。
 いわゆる寒さの厳しい土地で生活していない方も、冬ともなれば雪に囲まれ
 モーターホームをベース基地に「ウィンター・スポーツ」を楽しみます。
 また、「寒さ」に強い断熱効果は同時に「暑さ」にも強いと言うことで、
 
 北米では「寒ければ暖かい所へ・・・」、「暑ければ涼しい所へ・・・」と
 大陸を移動しながら「旅」を満喫するスタイルが多いようですので、特に
「寒さ」への対策は我々の感覚からすれば無頓着でいられるようです。
 事実、「モーターホーム・ヒストリー」の中でもご紹介しているカナダ製
 モーターホーム(リージェンシー、フェーダーなど)に見られる徹底した
「寒冷地対策」を施されたモーターホームは存在しますが、極めて少ないもの
 と言えます。
(これらの車輌を日本に紹介できたのも戸川さんの情熱に他ならないのですが)
 戸川さんが、日本に「トリプルEカナダ社・リージェンシー」を紹介した経緯
 や経験から「日本向けの新型クラスCモーターホームを開発する!」ということは、
「寒さ」への対策が万全でなくてはならないということは「当然」のことでした
 し、私も「リージェンシー」に憧れてこの世界に飛び込み、その素晴らしさを
 戸川さんから体感させていただいた経験から、その「意味」を充分理解してい
 ました。
 そして、「B.C.ヴァーノン」には幾つもの「寒さ」に対しての機能を備えま
 したが、まず、ヴァーノンの本体をを構成する「構造材」が他とは違うことを
 ご紹介します。
 


「特許取得の断熱材」・・・

 モーターホームの外壁は、板で「発泡スチロール」をサンドイッチしたものに
「スキン」と呼ばれるファイバーグラス製の「外皮」を貼り付けたものを多く見
 掛けますが、ヴァーノンには「ファーバー・コア(Core)・ウォール」と呼ば
  れる製造メーカーの「レジャーコーチワークス」が特許を取得している外壁
 が使われています。
 その製法を簡単に説明しますと、板と板の間に「発泡ウレタン」を注入・圧縮
 して製造され、表面(外皮)は「ゲルコート」という特殊な素材で覆われます。
 実は、その製法についは「特許」であることからも 想像できるように、その
 詳細については私達も知ることができませんでした。
「レジャーコーチワークス社」を訪問した際には、工場内を含め社内のどの部署
 へもを自由に立ち入ることは可能でしたが、まさに会社の「Core(核)」とい
 える「ファーバー・コア」の製造現場だけは立ち入ることを制限され、ビデオ
 や写真撮影などは一切許可されませんでした。
 
 ここまで外壁の素材に拘っている「会社」の意味は徐々にわかりましたが、
 社長の「故テリー・マイヨール氏」はボート製造の職人として若くから腕を
 磨き、常に水の衝撃に晒されているボートのボディ(FRP)への研究・開発
 には余念がなかったそうです。
 そして、その知識と経験から得られた技術がモーターホーム製造に注がれた
 そうです。


「床下二重構造」・・・

 冷気が直接フロアに伝わらないように、フロアの下を二重構造にしました。
 この「二重構造」のプランを初めて聞いた段階では、私の頭の中では「点」の
 発想にしか感じてなかったのだと思いますが、戸川さんの頭の中では「面」と
 して様々な発想が湧き上がっていたようです。

 二重構造の床下には「清水タンク」がサンドイッチされた形で配置されますが、
 今までのモーターホームでは見られない「重量バランス」までをも意識した
 配置を可能にしました。それまでは、主に片側のダイネットシート下などに
 数百Kgにもなるタンクを配置しなければならなかったものが、後輪車軸の
 ほぼ中央にバランス良く配置でき、しかも、そのことでシート下は大きな
 収納場所にすることが出来ました。

 床下を二重構造にしたことで空気層を設け直接冷気が伝わらず、しかも床下
 には温風を取り回し、その温風を「グレータンク」と「ブラックタンク」の
 収納スペースに配管してタンク自体の凍結までも防ぐことを可能にしました。

 また、居住スペース部分の全ての窓を、開発されて間もない「二重ガラス」
(ペアガラス)を採用することで、万全な「寒冷地対策」を施しました。


「大幅な収納力のアップ」・・・

 二重構造が生んだ荷物の収納場所は、運転席後ろの収納扉から助手席後ろの
 収納扉まで貫通した「左右貫通式」のラゲージスペースを可能にし、驚異的な
 収納力アップを実現しました。
 キャンプ用品としてのイス、テーブルは勿論のこと、長尺の収納物までも楽々
 呑み込んでしまう驚くべき大きさです。
 また、外壁の一部に脱着式の棚板を配した専用の多目的収納庫(ロッカー式)
 を設け、棚板を任意に外すことでスキーや釣り竿などを収納するには特に便利
 な収納スペースまで設けました。


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